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書写の効能

夏休みスケジュール絶賛進行中につき、ほぼ教室と寝床を往復するだけの生活になっている🐺です。


寺子屋では7月と8月で夏休みのスケジュールのあり方が明確に異なります。7月中は学校の宿題にひたすら専念するだけの「宿題始末会」、8月に入ると塾生個々の特訓課題に励んでもらう「夏の特訓道場」の期間が始まります。


特訓ミッションは、私が塾生一人ひとりに合わせて異なる指示を出します。その内容は夏休み前に実施している三者面談で提案し、保護者の方の同意を得て正式に決定します。前学期の復習をすることが比較的多いですが、生徒によっては2学期の英語教科書本文の先取り予習をしたり、中学生だとしても小学校の算数を取り入れたり、あるいは書写指導の小学生もいたりと様々です。



今の時代に書写?という声も聞こえてきそうですが、意外にも書写は思考力や観察力を鍛えるのにけっこう良いトレーニングなんですよ。


きれいな字を書けるようになるためには、闇雲にお手本を繰り返し真似て書きまくるだけの根性論ではダメで、まして「心を込めて」とか「礼儀正しく」といった中身スカスカな精神論でもいけません。きれいに見える字は、総じて長方形や正三角形、平行や垂直、線対称といった算数的な図形の特徴を多分に含んでいます。たとえば、


・縦角は垂直に下ろす

・横角は右斜め6度くらいに

・平行で等間隔な直線を引く

・左右対称のバランスになるように

・正方形、長方形、正三角形、ひし形などの基本図形のシルエットを意識する


などのポイントを守れば、誰でもある程度の水準で字がきれいに見えるようになります。上を目指せばキリがありませんが、別に私たちはプロの書家を目指すわけではないので、「この人丁寧に書いてくれているな」という印象が伝わる程度の字が書ければそれで十分でしょう。



ここで、整った字に見えるための図形的な規則を再現しようとすると、文字全体の設計図を常に気にする必要が出てきます。全体的なシルエットを守りながら、最初にどこに鉛筆の先を置くか(始筆)、どの位置まで線を運ぶか(送筆)、最終的にどの位置で鉛筆を着地させるか(収筆)・・・など、1文字書くのにも意外と計画性や先読みの力が必要なので、けっこう頭を使うものです。


そのため集中が続かない生徒は、同じ文字や単語を1回、2回と繰り返し書いていくうちに頭を使うことをやめ、もう3回目には元の手癖の乱れた字に逆戻りなんてことも。こういう場合は、「まずは3回我慢して同じレベルを維持し続けよう」とゴールを設けることで、考える持久力が鍛えられます。


このように書写は、書字の質向上と頭のトレーニングを兼ねた一石二鳥のトレーニングです。字の美しさと学力は関係がないというのが定説ですし、必要以上に美観にこだわりすぎる必要はないと思います。一方で、「細かいパーツを気にしながら全体も目配りする」とか「一定のクオリティでの作業を維持する」という思考訓練は、少なくとも今後の勉学や労働には間違いなくプラスに作用します。その点を意識したうえで書写をやる価値は十分にあります。


学校の授業の進行が止まる夏休みは、平常期に時間の確保が難しかった大幅な戻り学習や特殊なスキルアップに挑戦できる絶好のチャンスです。こういった期間の過ごし方をより洗練させるミッションを今後も提案していきたいと思います。


ここまでお読みいただき、ありがとうございました。👋🐺


寺子屋リンクス 松村


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