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礼儀とマナーと気づかいと(2)

(2)消耗品と環境の整備


・トイレットペーパーを使い切ったら、必ず自分で補充をしてからトイレを出ること。

・教室のティッシュがなくなったら、気付いた時点で報告をすること。

・退室する際は、マイペットで机の拭き上げを行って綺麗にしてから退室すること。


これは契約時の規約説明の際、塾生全員の約束事として共有しているマナーです。(寺子屋では必ず三者で契約を行います)当たり前のことじゃないか、と思うかもしれませんが、これも意外に当たり前ではありません。何も言わなければ、使い切った紙は放置、使った机は汚したまま退室……なんてことは普通です。


いずれも「次にそれを使う人を困らせない」という方針のもとに徹底しています。それは自分がやらなくてもいずれは他人が代わりにやってくれることかもしれませんが、その「誰かがやってくれるだろう」という事なかれ主義の心持ちは、あまり持たない方が好ましいように思います。できることなら持たずに育ってくれた方がいいと思いますが、これは古くさい考えでしょうか。


このようなルールにはもうひとつ意図があります。それは、「自分の見えないところで働いている人の存在を、自分が見えない仕事を経験することで知覚する」ということです。


たとえば、学校では用務員さんたちが、生徒たちの見えないところで環境整備をしてくれます。公共の施設へ行けば、来客に見えない時間や場所で、人々が快適に施設を利用できるよう掃除やメンテナンスをしてくれる人がいます。


身の回りのものから地域全体に関わることまで世の中には大小様々な仕事がありますが、私たちが便利で快適に、つつがなく生活を送ることができるのは、ふだん私たちの目に触れないところで働いてくれている人々のおかげに他なりません。


話をうちの教室に戻すと、自分が使い切った消耗品も、放っておけばいつか誰かが補充をしてくれるし、自分が汚したトイレや机だって、知らないふりをしておけば、後から誰かが後始末をしてくれます。しかし、本当にそれで良いのか。


その誰かとは塾長である私か、後にそこを使う別の生徒になります。私は仕事だからまぁいいとして(面倒臭いけど)、後から来て知らん誰かの尻拭いをする羽目になった子は、ふびんとしか言いようがありません。そんなことをさせてはいけない。


まだ視野が広くなく、自分の見える世界が全てで、つい事なかれ主義の行動を取ってしまう子には、私ははっきり伝えることにしています。「あなたが本来するべきだった事を、あなたの見ていないところで後始末してくれる別の誰かの存在がいることを知りなさい」と。


だって、世の中ってのは、そんな風に大部分が見えない人の仕事で回っているのでしょう。

そして、自分も将来そのような立場になって仕事をするかもしれないのでしょう。


「職業に貴賎無し」とよく言われます。どんな日の目を見ない仕事でも、それが世間の誰かに後ろ指を指されるような業界だとしても、その仕事で救われたり助かっている人が必ずいるから、その仕事が成り立っている……


ちょっと話が飛躍しすぎた感もありますが、全て塾生に伝えたことのある話です。身のまわりの消耗品の補充や環境整備に協力してもらうことを通じて、自分の見えない所で働く人の仕事に少しでも思いを致せるようになれればよいと思うのです。



(3)自分の言った約束を守る


私は勉強が分からないことで叱りません。絶対に。

どんなに勉強が苦手でも、そこから脱出するために必死にもがく限り、分からないことやできないことを責めたりすることは絶対にありません。ところが生徒の目から見たとき、勉強ができない生徒ばかりを集中的に叱っているように見えることがあります。でも、それはちょっと違う。


私が鬼になるのは勉強ができないことそれ自体ではありません。

塾生としての規律と義務に違反したときです。


たとえば、自分でやると言った約束(ミッション)を破ったり、何度か指示したことなのに理由もなく実行せず、それを問えばうやむやに誤魔化す態度に対してです。(体調不良で課題が進まなかった等の正当な理由に対しては私は寛容です)


そういった態度は成績と密接に結びついています。残念ながら、成績が上がらない生徒ほど約束を破ることが多いし、やらないことの言い訳もべらぼうに多い。そこには切っても切れない相関関係があるようです。だから、端から見ると勉強ができない生徒をターゲットにしているように見えるのも無理はないのかもしれません。もちろん、ちゃんと真面目にやっている塾生は、私の真意を理解している子ばかりです。念のため。


・・・


ここから先はとてもセンシティブな内容が混じり、あまり赤裸々に語ってよいものかどうか悩ましい内容です。私の伝え方が悪いことであらぬ誤解が生じるかもしれないリスクを飲みつつ、生徒を叱ることの本当のところを語りたいと思います。


(次回へ続く)



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