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書店で買える教材・塾で手に入る教材(3)

教材について年齢別にもっと掘り下げると・・・


―― 高校生の場合 ――


中学生の場合とは真逆で、高校生は圧倒的に市販教材から選ぶ方がメリットが大きいです。

その理由も、中学生向けのものとはまるで逆です。


(1)そもそもの品揃えの差が歴然としている。

高校生用の教材を考えるとき、塾用の高校生向けの教材は品揃えが多くありません。正直に言うと貧弱です。それに対して市販の高校生向け教材の世界は、大手予備校の講師たちを巻き込んだレッドオーシャン。来る日も来る日も新しい参考書や問題集が矢継ぎ早に執筆・発売されています。各出版社ともしのぎを削って膨大なシリーズの書籍を発行しているので、探せば自分の好みに合った本が必ず見つかかるはずです。塾用の高校教材と市販の高校教材の品揃えでは、圧倒的に後者に軍配が上がります。



(2)自分の学力に合ったものがピンポイントで選べる

これも中学向けの教材選定ポイントとは真逆の特徴です。塾用の高校生教材は選択肢が限られているため、ターゲットになる学力層以外の子には使いづらかったり、難しくて使いこなせなかったりすることがあります(「選択肢が限られている」だけで「塾教材の質が低い」というわけでは決してありません。念のため)。その点市販の教材は種類も豊富でありながら、学力層のターゲットもかなり幅広く視野に入れて製作されています。


(3)解答解説、アフサーサポートまで至れり尽くせりの教材が多い

各社とも頭一つ抜きん出るために、解答解説は生徒目線に立って丁寧にわかりやすく作り込まれている教材が多いです。大学受験に向けてひとりで勉強することを想定しているのもひとつの理由でしょう。できるだけ1人で読み、1人で完結できるような配慮が随所になされています。この点は指導者の補助を前提として作られることが多い中学生向けの塾教材とは一線を画すところです。

また最近では、購入後にQRコードを読み込むことで著者による解説動画を視聴することができたり、単語学習用のスマホアプリが利用できたり、追加コンテンツで補充プリントをダウンロードできたりと、もう至れり尽くせりです。



正直いうと、高校生向けの教材選びは実に難しい。品揃えが豊富なだけに、情報が多すぎて「かえって何を選んだら良いのかわからない」ということにもなりかねません。それに、一概にAmazonで評判の良い教材がその子に合っているとも限らないのです。ここは本当に注意が必要な点です。


また、その子の偏差値、教材を利用する目的(定期考査用か受験用勉強か)、志望する大学が要求する試験の内容――などによって必要な教材は多岐にわたり、しかも複数の教材を組み合わせて段階的に力を付けていく計画を立てるのが普通であるため、「この1冊さえあれば!」などのように万人にオススメできるものは存在しません。通っている高校から出される宿題との両立も考えなければならず、その子に合った教材のカスタマイズするには、それなりの目利きが必要です。


何の教材をどのような順番で活用していくか。

それをいつまでにどのような計画で進めていくか。

学校の勉強との両立はどのようにしていくか・・・


その「勉強の設計図」を描くには、やはり身近に頼れる先生を持つのがベストではないでしょうか。



 

市販も塾用も使わせ方次第。なんなら無理に買わなくてもいい?



―― 小学生の場合 ――


中学受験を視野に入れているご家庭は別として、そうでない一般的な小学生の場合、市販教材と塾用教材との間にはそれほど差は見られないように思います。おうちで勉強するなら近くの書店で市販の教材を買えば良いし、塾に通っているならそこの塾教材を使えば良いでしょう。(うちは塾教材と市販教材を必要に応じて取り混ぜて使っています)


なんなら無理に教材を揃えなくても大丈夫だと思います。


「教材がいらない??」


いえ、これは決して「学校の宿題だけやっていれば大丈夫~👌」と言っているわけではありません。むしろ学校の授業と宿題だけでは、これから学問をしていくために必要な、本当に本当に大切な思考の基盤が十分に育たないリスクの方が大きいです。このことを私は非常に重く見ています。


それにもかかわらず教材にこだわらない理由を、以下に示します。



(1)ネットから無料でダウンロードできる高品質のプリントも多い


おうちにプリンタがあることが前提となりますが、小学生向けの学習教材は、無料で使いやすいものがネットにゴロゴロ転がっています。「ちびむすドリル」がその代表です。問題量も豊富、解説も丁寧で、ここでダウンロードできるプリントと学校の課題とを組み合わせることで、十分な演習量が確保できます。小学生版だけでなく、中学生版の方もコンテンツが充実しているので、私もよくお世話になります。使えるものは何でも活用!です。


このほか、山口県教育委員会が開設している「やまぐち学習支援プログラム」もオススメ。なんと小1から小6までの、英語を除く全教科の学習プリントがダウンロード可能です。恐るべし山口県。ウェブサイトやプリントのデザインの古さにはこの際目をつむりましょう。次の理由に移ります。



(2)必要なのは基礎的な概念と技能を100%に近づけて定着させようとする「根気」と「時間」であり、教材の有無が問題なのではない!!


これがもっとも大切なことです。


小学校で学ぶ内容は、すべてが中学や高校で学ぶための土台になります。

ひらめきと発想力を要求される応用的な問題に多く取り組む必要はないと思うのです。

教科書で学べる基礎的な概念と技能を、できるだけ漏れがないように、徹底して反復とフィードバックを繰り返し、時間の許す限り100%に近付けること。特に、


・漢字と語彙!

・基本的な日本語文法!

・母語の長文を読む持久力!

・計算!

・割合!

・基本的な図形知識!


上記の事項については、特に徹底的に叩き込んでおきたいところ。ぶっちゃけ理科や社会は、後からでもどうにかなります。英語もどうにかなるから大丈夫です(上記さえ大丈夫なら、あとはこちらでどうにかできます)。だから正直に言います。英会話やるよりまずは母語の運用能力を鍛えてあげて下さい。本当に本当に。


結局、長い目で見たときに大切なのは、昔から言われている「読み・書き・そろばん」の能力です。英語が必修化しようと、プログラミングがねじ込まれようと、読み書きそろばんの大切さはいつの時代も変わりません。そしてそのための教材なんてどこにでも溢れています。書店にも、塾にも、ネットにも。そうではなくて、それらを習得させるために本当に必要なことは、


「根気と時間」「適切な指導」


そして

「身につくまでは絶対に諦めないこと」


小学生の勉強に必要なことは、結局のところそれに尽きると思っています。



 

今回のまとめ


★市販教材は市販薬、塾教材は処方薬。どちらもうまく活用できれば効果有り

★追加の教材は「何を使うか」よりも「どのように使うか」

★中学生用の塾教材には、市販教材にはないメリットがたくさん!

 →ピンポイントの難易度で選びやすい

 →問題量が豊富で反復しやすい

 →プリント出力システムが付随している

 →紙質が良く使いやすい

★高校生用の教材は市販教材に軍配が上がる

 →品揃えが圧倒的

 →自分の学力にピンポイントで選べる

 →アフターサポートが充実

★Amazonの評判の本がその子にアウトは限らない

★小学生は無理に教材を買わなくてもいい?

 →ネットにも無料で高品質のものがある

 →必要なのは「根気」と「時間」

★とにかく「身につくまでは絶対に諦めないこと」

 

今日はこのへんで🐺👋


寺子屋リンクス塾長 松村


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