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寺子屋が受入を制限しているわけ③

(前回からの続き)


寺子屋リンクスが中3以降の受入を制限している理由はいくつかある。


②これまで頑張ってきた子にこそ指導を注ぎたいから。

寺子屋は塾長の私1人で全ての生徒を指導している。当然ながら、身体は1つしかない。


基本的に寺子屋では挙手した子から順に指示出しや質問対応をしていくことになるのだが、課題の取り組みに抜けが多かったり、考えるための基本知識が明らかに足りていない生徒は、他の子に比べてどうしても対応に時間がかかる。


これはある程度は致し方ない部分だ。

勉強に対する意識を変えてもらうためには、最初のうちは口先だけの指示出しでは不十分。なぜそのような指示を出すのか、その指示するところの意義まで、じっくり腰を据えて伝えなければならない。

最小限の指示と質問で生徒と互いに連携を取れる、いわゆる“阿吽の呼吸”をいち早く実現するためには、勉強に不慣れな生徒に対して時間を割く期間も必要なのである。



ところが、成績低迷者の入塾があまりに遅い場合、下がりきったモチベーションと染みついた悪習の矯正にたいへんな労力と時間かかる。冗談抜きで、毎日塾に通い詰めるなどしてがっちり行動変革を試みないと、新しい知識が全く刺さっていかない。


そうなると、私のようにワンオペで回している現場では、

モチベーションが低く動きの鈍い生徒ほど手厚い労力が注がれ、やる気と志を持った生徒への対応が手薄になる

といった現象が起こってしまう。


講師の替えがきかない小さな教室で、そのような事態に陥るのは致命的である。サービスの欠陥とさえいってもいい。売上に目がくらんで、自分の分を越えた領域のサービスを引き受けることは、講師も生徒も保護者も、誰一人得をしないはずだ。


私も人だから、受験を控えた時期は、やはり私を信じて早いうちから通ってくれた生徒にこそ力を注いであげたいと思う。寺子屋を信じて指導を任せて下さった保護者の皆様にも報いたい。


いつ何時でも受け入れてしまう器を持った大手とは違う小さな教室だからこそ、そこは徹底してこだわりを持ちたいのである。


(次回[4/4]へ続く)

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