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ブチ切れ先生、炎上する

私のことではない。(念のため)


うちは基本的に生徒の質問と挙手によって成り立っている生徒主体型の教室だが、場合によってはこちらが主導して一斉講義を行うことがある。夏休みや冬休みなど比較的生徒が集まりやすい期間の集中講義や、受験期に入った中3向けの受験対策講義などである。


この5月の連休中にも、「中学英語超入門」と銘打った英文法の特訓授業を開講した。

参加した塾生たちは私の予想していた以上に授業の意欲が旺盛で、投げかけた質問には積極的に発言してくれるし、学校の教室ならば恥ずかしがる英語の発音も、大きな声で元気よくやってくれた。想像以上の盛り上がりであった。


生徒個別にカスタマイズされたいつもの指導もやりがいはあるが、皆を統率して講義形式で授業をするのも、これはこれで好きだ。こちらの演出した空気に皆が巻き込まれていく空気感。それに動かされて勉強への使命感が芽生えることもある。そう、一斉指導は楽しい。


ところで今、Twitterの方ではある予備校の授業動画が拡散され炎上している。


何やら、イヤホンをして寝ていた生徒に、講師が机を蹴ったりチョークを床に叩き付けてキレ散らかしたのだそうだ。おまけに、

「嫌なら出てけコラァ!」

「顔覚えたからな。次の時間消えろよ」

などという暴言まで吐いちゃったのらしい。


そりゃあ~た、振る舞いが下手くそなのよ。知識は豊富でも振る舞いが悪けりゃ、授業は失敗ですよ、


などと偉そうなことを申し上げてみる。まあ予備校の教室と私みたいな極小の教室じゃ、規模が違いすぎて同列にものを語ることなどおこがましいのかもしれないが、それでも言わせてほしい。


一斉講義なんてのは生徒とシンクロしてなんぼである。


これは決して、寝ていた生徒を擁護するものではない。私だって寝ている生徒がいたらしかるべき対処はする。外に散歩に出すか、別室で昼寝させるか、とにかく他の生徒の意識を邪魔するなら、いったんその場から排除する。ましてイヤホンまでつけて寝られた日には、即保護者への通達案件、講義への参加資格は即取り消し決定だ。問題は生徒のそれではなく、場の支配者である講師がどう立ち振る舞うかである。


キレ散らかして物に当たったり暴言をぶつけることで一時シーンと静まりかえったとして、そこから何食わぬ顔で講義を続けたところで、もはや他の生徒たちも「心ここにあらず」といった状態ではないか。魂の抜けた生徒たちを相手に、とにかく一方的に喋るだけ喋ってツラツラと授業を進めたところで、生徒とのシンクロ率はゼロである。そんなの壁打ちしているのと変わらない。


そうなると、どんな高尚な知識を高尚な語りで解説したところで、中身は空っぽに等しい。講師としてこれほど空しい授業はないと思うし、そういう授業を行ったとして、果たしてあとに何が残るのか。

一部の態度の悪い生徒にしかるべきペナルティを科すのは良いとしても、真面目に授業を受けに来た他大勢の生徒の気持ちを白けさせた時点で、その授業は失敗したと言えはしまいか。


居眠りする生徒が出るのは致し方ない。話を聞かずに内職する生徒も出てくる。それが現実だ。そんなとき、そういう子を突っつきつつ、逆にこちらの空気に巻き込んでいくような機転が欲しい。その点で一斉講義は、単なる物知り博士だけで務まる仕事ではなく、エンターテイナーやパフォーマーとしての心構えや技術も必要であると言えるかもしれない。


私もますます精進しなければ、と思う一件だった。

……

や、そもそも備品を足蹴にしたり、チョークを床に投げたりして、それ自分が後始末しない立場だからできるんじゃろがい。机直したり床掃除するのが自分だと思ったら、面倒くさくてそんな行動取れないわ。(これが本音)


くだんの先生は、自分の行為の後始末をしてくれる清掃スタッフに感謝の心を持ちましょうね。(平凡な結論で申し訳ない)



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