現在制作中の小学生向けの英語教材、ようやく1冊分の内容の打ち込みが終わりました。
ここから誤字脱字のチェックや、レイアウトやフォントを調整したりの校正段階に入ります。
というのも、小学校で英語が教科として必修になったことを機に、今夏から通年の英語講座を開講する予定なのです。対象は小学5年生と6年生。週1回ないし2回の講義を予定しています。
このような講座を企画するに至った理由には、小学英語と中学英語の間に横たわる「大きなギャップ」があります。
「大きなギャップ」とは?
ここでは詳細な説明は割愛するとして、いま私が感じている、小学校・中学校両サイドの英語学習の問題点を、大雑把ではありますがいくつか箇条書きで挙げながら、「大きなギャップ」について説明をしてみたいと思います。
【小学英語】
・教科書の構成が文法的に秩序立てられておらず、いきなり最初から"How many CDs do you have?"などといった難解なフレーズが登場する。
・子どもたちは文の組み立て方を知らないため、授業では「与えられたフレーズをただ真似して喋ってみる」だけの時間になりやすい。
・決まったセットフレーズを覚えて真似するだけで精一杯になるので、新しい語彙が蓄積せず、自分で運用する力が身につかない。
・結果、子どもたちは消化不良に陥り、小学校時点で習得済み「とされている」語彙や文法を身につけないまま中学へ進む。
【中学英語】
・小学校で習得済み「とされている」語彙や文法を前提として教科書が構成されている。
・以前は中1の2学期から中2にかけて学習していた文法表現(具体的には助動詞can, 過去形, to+動詞の原形, 動名詞など)が、中1の序盤から「つまみ食い」しかも「ごった煮」状態で雪崩のように登場してくる。
・このような文章が、語彙も文の組み立てのルールの理解も不十分な状態でスタートするため、生徒たちは混乱して暗記一辺倒の英語学習になりやすい。
・決まったフレーズを覚えて、あとはなんとなく勘で単語を連発するやり方になるので、英語を自分で運用する力が身につかない。
・結果、生徒たちは消化不良に陥り、中学校時点で習得済み「とされている」語彙や文法を十分に身につけないまま高校へ進む。
ざっと思いつくままに挙げてみましたが、小学サイドと中学サイド両者が抱える問題点で共通しているのが、「消化不良に陥り、進学後の発展的な学習にうまく接続できない」という部分です。要するに、小学英語から中学英語へのハードルが高すぎるのです。中学英語でつまずいてしまえば、当然ながら高校英語も共倒れは確実ですから、これは由々しき問題です。小・中・高で英語嫌いへ一直線コース。一度染みついてしまった英語アレルギーは、そう簡単には払拭できません。
決まったフレーズを丸暗記して真似するだけの英語学習は、見かけ上は「それっぽい」風に見えますが、運用力が育ちません。例えるなら、料理のスキルを身につけたいのに、包丁の使い方や計量することの重要性といった基本的な部分を無視して、出来合いのコンビニ弁当を皿に盛り付けてばかりいるようなチグハグさに似ています。
図らずもそのような状況に陥りやすい諸々の指導条件が、小学・中学両サイドから(悪い意味で)絶妙に噛み合い、小・中・高の接続がうまく機能せず、結果的に英語アレルギーの子を増やしてしまうのではないか。そう私は考えています。そのような状況をどうにか打開したいと思い、今回の小学生向けの英語講座を企画するに至りました。
英語は学び始めの「仕込み」が肝心です。これから中学・高校(人によっては大学)と長きにわたって英語を学んでいくというのに、借り物の英語で真似っこばかりして自分からは何も発信できない「なんちゃって英語」で終わらせるのは、非常にもったいないことだと思います。
そこで現在制作中の教材では、
「運用の幅が広い基本的な重要語彙の定着」と
「自己表現の骨子となる文の組み立てのルールの理解」
に焦点を当て、最終的には
「中学英語へ【完全な】形で接続できること」
を目標に設計しました。したがって、矢継ぎ早にポンポン難解なフレーズが登場する学校の英語教科書とは全く異なり、英語の基礎の基礎からひとつひとつ積み上げ、筋道立てた体系的な作りになっています。
進捗状況は随時ブログで報告してまいります。もう少しで形になると思いますので、正式な告知までしばらくお待ちいただければと思います。今日はこのへんで。👋🐺
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